「FAXをやめたいけれど、取引先が使っているから廃止できない」
「届いたFAXを確認するためだけに出社している」
「紙で届いた内容をExcelやシステムへ入力し直している」
FAXを使い続けている企業では、このような問題が起こることがあります。
FAXは長年利用されてきた連絡手段ですが、受信した書類の印刷、仕分け、社内共有、保管、データ入力まで人が行っている場合、バックオフィス業務の負担になりやすいのが問題です。
一方で、取引先との関係があるため「明日からFAXを廃止する」という対応が難しい企業もあります。
そこで考えたいのが、FAXそのものをいきなり廃止するのではなく、FAXを使った業務を段階的に電子化する方法です。
この記事では、FAXをやめたい企業に向けて、FAX業務で発生しやすい問題、電子化する方法、FAXを残したままペーパーレス化する方法、移行時の注意点まで解説します。
FAXをやめたい企業が増える理由
FAXの問題は、送受信という行為だけではありません。
FAXを受信した後に発生する、
印刷 → 確認 → 仕分け → 配布 → 入力 → 保管
という一連の作業まで含めて考える必要があります。
特に受注書、注文書、請求書などをFAXで受け取り、その内容を別のシステムへ入力している場合、FAXがアナログ業務の入口になっています。
FAXを確認するために出社する必要がある
従来型のFAXでは、会社に設置されたFAX機で書類を受信します。
そのため、受信した書類を確認するにはFAX機のある場所へ行かなければならない運用もあります。
テレワークを導入しても、
FAX確認の担当者だけ出社する
という状況になれば、業務の完全なリモート化を妨げます。
紙の仕分け・配布が必要になる
FAXを受信すると、担当者が書類を確認して各部署へ配布する作業が発生します。
受信件数が増えるほど、
といった管理も必要になります。
FAXそのものよりも、FAXを受け取った後の人手による処理が負担になっている場合があります。
FAXの内容をシステムへ再入力している
FAXで届いた注文書などを見ながら、販売管理システムやExcelへ入力している企業もあります。
例えば、
取引先が注文書をFAX送信
↓
担当者が紙を確認
↓
Excelへ入力
↓
販売管理システムへ入力
という業務であれば、同じ情報を何度も扱っています。
これは、前の記事で解説した「脱Excel」とも共通する問題です。
FAXを電子化するときも、単純にFAXをPDFへ変えるだけではなく、その後に発生している手入力まで減らせないか考えることが重要です。
FAX業務で起こりやすい問題
FAXを確認・回収するためだけに出社する場合がある。
受信するたびに紙が増え、仕分けや保管も必要になる。
紙で回覧すると、担当者へ届くまでに紛失する可能性がある。
FAXの内容をExcelや業務システムへ手入力する作業が発生する。
過去のFAXを紙で保管すると、必要な書類を探すのに時間がかかる。
複数人で確認するためにコピーやスキャンが必要になる場合がある。
FAXをやめる4つの方法
FAXをやめる方法は、「FAX機を撤去する」だけではありません。
取引先がFAXを使い続けている場合でも、自社側の受信・共有・入力・保管を電子化することで、紙を中心とした業務から段階的に抜け出せます。
代表的な方法は次の4つです。
1.メールやクラウドストレージへ切り替える
最もシンプルなのは、FAXで送受信している書類をPDFなどの電子ファイルへ変更し、メールやクラウドストレージでやり取りする方法です。
例えば、FAXで受け取っていた注文書をPDFでメール送信してもらえば、紙への印刷を減らせます。
電子ファイルなら、そのまま社内で共有したり、検索しやすい場所へ保存したりできます。
ただし、取引先側にも運用変更をお願いする必要があります。
取引先が多い企業では、一斉にFAXを廃止するのではなく、対応できる取引先から順番に電子化する方が現実的です。
2.インターネットFAXへ切り替える
取引先がFAXをやめられない場合に検討できるのが、インターネットFAXです。
インターネットFAXは、FAXの送受信をインターネット経由で行うサービスです。
一般的には、受信したFAXをPDFなどの電子データとして確認できるため、紙へ自動印刷する運用を減らせます。
取引先から見ると従来どおりFAX番号へ送信できるサービスもあるため、相手側の運用を大きく変更せず、自社側だけ電子化できることがメリットです。
ただし、料金体系、利用できるFAX番号、送受信枚数、保存期間などはサービスによって異なります。
3.OCR・AI OCRでFAXの内容をデータ化する
FAXをPDFとして受信できても、その内容を人がシステムへ入力しているなら、入力作業は残ります。
そこで利用できるのがOCRです。
OCRは画像やPDFに含まれる文字を読み取り、文字データへ変換する技術です。
例えばFAXで届いた注文書に、
- 取引先名
- 商品番号
- 数量
- 金額
- 注文日
などが記載されている場合、それらをOCRで読み取ることで、手入力を減らせる可能性があります。
帳票のレイアウトが取引先ごとに異なる場合などには、AI OCRが選択肢になることもあります。
ただし、OCRの読み取り結果が常に100%正しいわけではありません。
FAX原稿の画質、文字のかすれ、傾き、レイアウトなどによって認識精度が変わるため、人による確認工程を前提に考える必要があります。
4.受発注システムなどへ移行する
FAXそのものを根本的に減らしたい場合は、受発注システムなどへ移行する方法があります。
取引先がシステム上で注文を入力し、そのデータが自社側へ届く仕組みにすれば、
FAXを受信 → 内容を確認 → システムへ入力
という工程そのものをなくせる可能性があります。
FAXをPDF化する方法よりも大きな業務改善を期待できますが、取引先にも新しい方法へ対応してもらう必要があります。
そのため、取引先数や現在の受発注方法を確認しながら段階的に進めることが重要です。
FAXをやめる4つの方法を比較
| 方法 | 紙削減 | 入力削減 | 取引先の変更 | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|
| メール・クラウド | ◎ | △ | 必要 | 取引先も電子化できる |
| インターネットFAX | ◎ | △ | 少ない | FAX番号を残したい |
| OCR・AI OCR | ○ | ○〜◎ | 少ない | FAXからの転記が多い |
| 受発注システム | ◎ | ◎ | 必要 | FAX業務そのものを減らしたい |
※実際の機能や電子化できる範囲は、導入するサービスや現在の業務フローによって異なります。
FAXを完全に廃止できない企業はどうすればいい?
FAX電子化で現実的に問題になるのが、「自社はFAXをやめたいのに取引先がFAXを使っている」ケースです。
取引先が数社なら個別に変更をお願いできますが、数十社、数百社と取引している場合、一斉変更は簡単ではありません。
この場合、FAXを残すか廃止するかの二択で考える必要はありません。
「FAXを受け取ること」と「紙で処理すること」を分ける
取引先にはこれまでどおりFAXを送ってもらい、自社では電子データとして受信する方法があります。
例えば、
取引先 FAX送信
↓
インターネットFAX PDFなどで受信
↓
担当者 PCから確認・共有
という流れです。
これなら、取引先にすぐFAXをやめてもらわなくても、自社のFAX機や紙への依存を減らせます。
さらに受信したデータをOCRなどで読み取れば、その後の入力作業まで効率化できる可能性があります。
FAX電子化は3段階で考える
FAX業務を一気に廃止するのではなく、次のように段階を分けると整理しやすくなります。
インターネットFAXなどを利用し、受信したFAXを電子データで確認する。
OCR・AI OCRなどを利用して、FAXに記載された情報をデータ化する。
取引先と調整し、メール・クラウド・受発注システムなどへ段階的に移行する。
この考え方なら、「取引先がFAXを使っているからDXできない」という状態を避けられます。
最初の目標を「FAX廃止」にするのではなく、
紙をなくす → 転記を減らす → 最後にFAX自体を減らす
という順番で進める方が、既存取引先への影響を抑えながら電子化を進めやすくなります。
FAX業務を電子化導入するメリット

FAX業務を電子化すると、紙を減らせるだけではありません。
受信後の確認、共有、入力、保管まで見直すことで、バックオフィス全体の作業を減らせる可能性があります。
FAX確認のための出社を減らせる
インターネットFAXなどを利用して、受信したFAXをパソコンやスマートフォンから確認できる環境を整えれば、FAX機の前まで書類を取りに行く必要を減らせます。
特にテレワークでは、
「FAXが届いているか確認する」
「FAXをスキャンして担当者へ送る」
といった作業のためだけに出社する運用を見直せます。
ただし、利用できる端末や社外からのアクセス方法はサービスによって異なるため、導入前の確認が必要です。
紙・印刷・保管の負担を減らせる
FAX機で受信するたびに自動印刷している場合、必要のないFAXまで紙として出力されることがあります。
電子データで受信すれば、必要な書類だけ印刷する運用へ変更できます。
さらに電子保存へ移行できれば、
- 用紙
- トナー
- ファイル
- キャビネット
- 保管スペース
などにかかる負担も減らせます。
ただし、電子化した書類について法令上の保存義務がある場合は、該当する保存要件に従う必要があります。
社内共有がしやすくなる
紙のFAXでは、担当者へ渡すために社内便や手渡し、スキャンなどが必要になることがあります。
電子データなら、権限設定されたシステムや共有環境を通じて関係者が確認できるようにすることが可能です。
複数拠点で同じFAXを確認するような企業では、紙を拠点間で移動させる必要も減らせます。
過去のFAXを探しやすくなる
紙のFAXをファイルへ綴じて保管していると、
「3か月前に○○社から届いた注文書」
を探すだけでも時間がかかります。
電子データなら、サービスによっては受信日時やFAX番号などから検索できます。
OCRを組み合わせ、文書内の文字情報を検索できる仕組みを構築する方法もあります。
ただし、検索できる項目やOCR機能の有無はサービスごとに異なります。
FAXからの手入力を減らせる
FAX電子化の効果を大きくするなら、ここまで考えたいところです。
FAXをPDFにしただけでは、
紙を見ながら入力
から
PDFを見ながら入力
へ変わっただけです。
FAXの内容を販売管理システムなどへ転記している場合は、OCRやAI OCRによるデータ化、CSV出力、API連携などができないか確認します。
つまり、
FAXを電子化する → 入力も電子化する
ところまで進めることで、単なるペーパーレス化から業務効率化へつながります。
FAX電子化で変わる業務
FAXをやめるときの注意点
FAXには非効率な部分がありますが、だからといって明日からFAX番号を廃止すればよいわけではありません。
特にBtoB取引では、自社だけで送受信方法を決められない場合があります。
取引先がFAXしか利用できない場合がある
最初に確認したいのが取引先です。
FAXで注文書などを送っている取引先に対して、突然、
「来月からメールだけにします」
と変更すると、取引先側の業務に影響する可能性があります。
まず、
- FAXを利用している取引先数
- 月間の送受信件数
- FAXで扱っている書類
- メールなどへ変更可能な取引先
- FAX継続が必要な取引先
を整理します。
FAX継続が必要な取引先については、インターネットFAXなどを利用して、自社側だけ電子化する方法を検討できます。
誤送信の問題は電子化だけではなくならない
紙FAXには番号の入力間違いなどによる誤送信リスクがあります。
しかし、メールへ変更したとしても、宛先を間違えれば別の相手へ送ってしまう可能性があります。
そのため、
FAX → メールに変えたから安全
とは限りません。
送信方法だけでなく、
- 宛先確認
- アクセス権限
- アカウント管理
- ファイル共有方法
なども含めて見直す必要があります。
OCRを過信しない
FAXをOCRで読み取れば、入力作業を減らせる可能性があります。
ただし、FAXでは元原稿の状態や通信・画像品質などによって、文字がかすれたり潰れたりする場合があります。
特に、
- 数字
- 金額
- 商品コード
- 日付
- 数量
など、間違えると業務に影響する項目については、読み取り結果を人が確認する運用が必要です。
OCRは「確認をなくす技術」ではなく、「手入力を減らす技術」と考えた方が安全です。
電子化したデータの保存ルールを決める
FAXをPDFで受信できるようになっても、
「担当者Aのパソコン」
「共有フォルダ」
「メール」
「クラウドストレージ」
にバラバラに保存されれば、別の管理問題が発生します。
電子化するときは、
どこへ保存するのか
誰が閲覧できるのか
ファイル名をどうするのか
いつまで保存するのか
まで決めておく必要があります。
FAXをやめる具体的な進め方
FAX電子化も、脱Excelと同じく一気に進める必要はありません。
まず現状を把握し、変更しやすいところから進めます。
STEP1 FAXの利用状況を調べる
最初に、FAXで何を送受信しているのか洗い出します。
例えば、
- 注文書
- 発注書
- 納品書
- 見積書
- 請求書
- 申込書
- 連絡文書
などです。
単純に「FAXが月500枚ある」と数えるだけでは不十分です。
何の業務でFAXが使われているのかを確認することで、適した電子化方法を判断できます。
STEP2 FAX受信後の作業まで確認する
次に重要なのが、FAXを受け取った後です。
例えば、
FAX受信
↓
担当者が仕分け
↓
Excelへ入力
↓
販売管理システムへ入力
↓
紙を保管
となっているなら、FAX受信だけを電子化しても問題の一部しか解決しません。
「FAXの後に誰が何をしているのか」まで業務フローを書き出します。
STEP3 取引先を分類する
取引先を大きく、
- FAX以外へ変更できる
- 当面FAXが必要
に分けます。
①の取引先については、メール、クラウド、受発注システムなどへの変更を検討します。
②についてはFAX番号を維持しながら、自社側をインターネットFAXなどへ移行する方法があります。
STEP4 小さく電子化する
最初からFAX機を撤去するのではなく、一部の部署や業務から試します。
例えば、
「受注FAXだけ電子化する」
「特定の取引先だけPDF受信へ変更する」
といった方法です。
実際に運用し、
- 見落としが発生しないか
- 担当者へ正しく届くか
- 検索しやすいか
- 入力時間が減ったか
- 取引先に問題がないか
を確認します。
STEP5 紙・手入力・FAXを順番に減らす
運用に問題がなければ対象範囲を広げます。
最終的には、
紙FAXを減らす
↓
FAXからの手入力を減らす
↓
FAXを使う取引先を減らす
という順番で進めると整理しやすくなります。
FAX電子化チェックリスト
- FAXで送受信している書類を把握した
- 月間のFAX件数を把握した
- FAX受信後の作業を確認した
- 手入力している項目を確認した
- FAX以外へ変更できる取引先を確認した
- FAXを継続する取引先を確認した
- 電子データの保存場所を決めた
- 閲覧・アクセス権限を決めた
- 新しい運用を一部で試した
FAX電子化サービスを選ぶポイント
FAX業務を電子化するサービスを選ぶときは、「FAXをPDFで受信できるか」だけで判断しないことが重要です。
現在のFAX番号を維持できるか、受信した書類をどのように共有できるか、その後の入力作業まで効率化できるかによって、導入後の使いやすさは大きく変わります。
現在のFAX番号を継続できるか
取引先へすでにFAX番号を案内している場合、番号変更は大きな負担になります。
名刺、請求書、Webサイトなどに掲載している番号の変更だけでなく、多数の取引先へ新しい番号を案内しなければならない可能性があります。
インターネットFAXを選ぶ際は、
を確認しましょう。
番号の扱いはサービスや契約している回線によって異なるため、「インターネットFAXなら必ず現在の番号を引き継げる」とは限りません。
料金は送受信件数まで含めて比較する
FAXサービスでは、月額料金だけを比較すると実際の費用を判断できない場合があります。
サービスによって、
- 初期費用
- 月額基本料金
- 受信料金
- 送信料金
- 無料送受信枚数
- 超過料金
など料金体系が異なります。
月間100枚程度の企業と数千枚を扱う企業では、適した料金プランも変わります。
まず現在のFAX送受信件数を確認してから比較する方がよいでしょう。
複数人で共有できるか
FAXを電子化する目的の一つが、紙による仕分けや配布を減らすことです。
そのため、
「受信したFAXを誰が確認できるのか」
「担当部署ごとに振り分けられるのか」
「確認済みか判断できるのか」
といった機能も確認します。
PDF化されても、一人の担当者のメールアドレスにすべて届くだけでは、新しい属人化が発生する可能性があります。
検索・保存機能を確認する
受信したFAXを後から探すことが多い企業では、検索機能も重要です。
サービスによっては、
- 受信日時
- 送信元FAX番号
- ファイル名
などから検索できる場合があります。
保存期間にも違いがあるため、長期間保存したい場合は、クラウドストレージなど別の保存先へ自動保存できるかも確認しましょう。
OCRやシステム連携まで必要か
FAXから販売管理システムなどへ大量に転記している企業では、PDF化だけでは十分な改善にならない可能性があります。
その場合は、
FAX受信 → OCR → データ確認 → 業務システム
までつなげられるか確認します。
CSV出力やAPI連携などに対応していれば、後工程の自動化につなげられる場合があります。
ただし、連携可能なサービスや仕様は製品ごとに異なります。
FAX電子化サービスの選び方
現在の番号を継続できるか、番号変更が必要か確認する。
月額料金だけでなく、送受信枚数と超過料金まで比較する。
複数人・複数部署でFAXを確認しやすい仕組みか確認する。
必要なFAXを検索できるか、保存期間は十分か確認する。
FAXの内容をデータ化して手入力を減らせるか確認する。
CSVやAPIなど、既存システムとの連携方法を確認する。
FAXをやめる前に費用対効果を確認する
FAX電子化には、インターネットFAXやOCR、受発注システムなどの利用料金が発生する場合があります。
そのため「紙代がなくなるから得」と単純に判断するのではなく、現在FAX業務に使っている人の時間まで含めて比較することが重要です。
例えば、FAX受信後に毎日、
- FAX機まで取りに行く
- 書類を仕分けする
- 担当者へ配布する
- Excelへ入力する
- 業務システムへ転記する
- 紙をファイリングする
という作業が発生しているなら、その時間もFAX運用にかかっているコストです。
逆に、FAXが月数枚しかなく、受信後の作業もほとんどない企業では、有料システムを導入しても大きな効果が得られない可能性があります。
FAXを使っていること自体ではなく、FAXによってどれだけ人の作業が発生しているかを基準に判断しましょう。
FAX電子化の費用対効果を考える簡単な式
この金額と電子化サービスの導入・運用費用を比較すると、導入判断がしやすくなります。
FAXをやめたい企業のよくある質問

FAX番号を残したまま電子化できますか?
利用するサービスや現在の電話回線・番号などの条件によります。
インターネットFAXの中には既存番号を利用できる場合もありますが、すべての番号をそのまま移行できるわけではありません。
FAX番号を取引先へ広く案内している企業では、サービス契約前に現在の番号を利用できるか確認しましょう。
取引先がFAXしか使えなくても電子化できますか?
自社側だけ電子化できる場合があります。
取引先には従来どおりFAXを送信してもらい、自社ではインターネットFAXなどを利用して電子データとして受信する方法です。
この方法なら、取引先へすぐ運用変更を求めなくても、自社の紙FAXを減らせます。
インターネットFAXにすればFAX業務はすべて効率化できますか?
必ずしもそうではありません。
インターネットFAXによって、
紙FAX → PDF
に変わっても、そのPDFを見ながら人がExcelや販売管理システムへ入力していれば、入力作業は残ります。
FAX受信後の作業まで確認し、必要に応じてOCRやシステム連携を検討しましょう。
FAXをOCRで自動入力できますか?
FAXを画像やPDFとして取得できれば、OCRによって文字をデータ化できる場合があります。
ただし、読み取り精度は原稿や画像品質、帳票レイアウトなどの影響を受けます。
金額、数量、商品コードなど重要な情報については、人による確認を残す運用が現実的です。
FAXはすぐに完全廃止した方がよいですか?
必ずしも完全廃止から始める必要はありません。
取引先の中にFAX利用を継続したい企業がある場合、一斉廃止すると取引先側へ負担をかけます。
まず自社側の受信を電子化し、その後、対応できる取引先からメールや受発注システムへ移行する方が進めやすいでしょう。
まとめ|FAXをやめるなら「紙・手入力・FAX」の順番で減らす
FAXをやめたい場合、最初からFAX番号を廃止する必要はありません。
特に多くの取引先とFAXでやり取りしている企業では、相手側の事情もあるため、一斉に送受信方法を変更するのは現実的ではない場合があります。
そこで、
STEP1 紙を減らす
インターネットFAXなどを利用し、FAXを電子データとして受信する。
STEP2 手入力を減らす
OCRやAI OCRを利用し、FAXからExcelや業務システムへ転記している作業を減らす。
STEP3 FAXそのものを減らす
対応できる取引先から、メール、クラウド、受発注システムなどへ移行する。
という順番で進めると、取引先への影響を抑えながら電子化できます。
FAX電子化で重要なのは、FAX機をなくすこと自体を目的にしないことです。
FAXを受信した後に、
「誰かが取りに行く」
「誰かが仕分けする」
「誰かがExcelへ入力する」
「誰かが紙を保管する」
という作業が残っているなら、そこまで含めて見直す必要があります。
最終的に目指したいのは、
FAXをなくすことではなく、FAXによって発生している人の作業を減らすこと。
ここまでできて初めて、FAX電子化がバックオフィスの業務改善につながります。


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